JXTGエネルギー株式会社 サウジアラビアにおけるENB製造装置新設検討について
当社(社長:大田 勝幸)は、サウジアラビアにおいてENB※1製造装置新設の事業化可能性 調査(フィージビリティスタディ(FS))を開始しましたので、お知らせいたします。
ENBは、自動車の窓枠やラジエターホースなどに使用される合成ゴム(EPDM※2)の製造 に欠かせない成分であり、中長期的に見込まれる世界的な自動車生産の増加に伴い、同成分の需 要も堅調に拡大すると見込まれています。
当社グループは1979年の日本での生産開始以来、日米にて生産体制を拡大してきており、 現在日本に1系列、米国に2系列の製造拠点で世界最大となる68千㌧/年の生産能力を有し、 北米・欧州・アジアのタンクターミナルから成る供給ネットワークを通じて、世界で事業展開し ております。
今般FSを開始したサウジアラビアでは、Saudi Arabian Company と Total Raffinage Chimie が出資する AMIRAL プロジェクト※3の原料供給を背景に、継続的な成長が見込まれるENB需要 に対する生産体制の構築が可能となります。当社は、日米に次ぐ第3の拠点として、同地の既存 顧客はもとより、世界の全顧客へ向けた供給体制を盤石とするために、ENB製造装置新設の検 討を開始しました。
当社は、2040年JXTGグループ長期ビジョンに掲げる、付加価値の高い誘導品事業への 進出・海外展開等を通じて、お客様の多様なニーズに対応し、アジアを代表するエネルギー・素 材企業を目指します。
※1 エチリデン・ノルボルネン。EPDM(下記※2参照)の製造に欠かせない成分。
※2 エチレン・プロピレン・ジエン・メチレンリンケージ。耐熱性、耐候性に優れた合成ゴムで、自動車用、工業用、建築用など、広く使用されており、自動車用が70%程度を占める。エチレン、プロピレンにENBなどの第3成分を添加して合成する。
※3 2025年に操業開始を予定している、クラッカーの新設プロジェクト。
サウジアラビアにおけるFSの前提となるENB製造装置新設計画の概要
建設予定地 サウジアラビア アルジュベイル
生産能力 年産23千トン
商業運転開始 2020年代後半
原料供給者 AMIRALプロジェクト (Saudi Arabian Company 、 Total Raffinage Chemie S.A )